菌やウイルスに対するオゾンの効果

ウイルスや菌に対するオゾンの効果

気体のオゾンや液体のオゾン水は、さまざまな菌やウイルスに対し、殺菌消毒効果・不活化(感染性を失わせる)させることが確認されています。
わかりやすくご紹介しますので、これを衛生管理・院内感染予防・健康維持などにお役立ていただければと思います。

オゾンの効果

オゾンの効果
オゾン濃度によってその効果は異なりますが、具体的なデータの前に、まずは「オゾンにどのような効果があるのか」をざっくりみていきましょう。

ウイルスに対するオゾンの効果

オゾンはこれらのウイルスを不活化(感染性を失わせる)します。

ウイルス名称 主な特徴
ライノウイルス 風邪(かぜ)の原因の約30~40%を占めるのがこのウイルス。秋や春に多く、主に鼻風邪(かぜ)を引き起こす。
コロナウイルス ライノウイルスの次に多く、主に冬に流行する。鼻やのどの症状を起こす。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する効果も期待できることから紙幣や室内空間、医療機関における院内感染対策、クルーズ船などの除染作業にオゾンが使用されている。
新型コロナウイルス オゾンが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化することが証明されました。
RSウイルス 年間通じて流行するが冬に多い。乳幼児に感染すると気管支炎や肺炎を起こす場合がある。
パラインフルエンザウイルス 鼻やのどの風邪(かぜ)を起こすウイルスで、子供に感染すると大人より重症になりやすい。秋に流行する型と春~夏に流行する型がある。
アデノウイルス 冬から夏にかけて多い。プール熱の原因もこのウイルス。咽頭炎や気管支炎、結膜炎なども起こす。
エンテロウイルス 夏に流行するウイルス。風邪(かぜ)の症状のほか下痢を起こしたりする。
インフルエンザウイルス 国立感染症研究所(NIID)では「一般のかぜ症候群とは分けて考えるべき重くなりやすい疾患である」とされているが、ここでは簡易的に説明することを目的に同列で掲載する。新型インフルエンザに対しても効果が期待でき、H1N1型インフルエンザウイルスが不活化されることが証明されている。
ノロウイルス アルコールがノロウイルスに効きづらいことはよく知られている。高い効果を示すものはオゾンと次亜塩素酸ナトリウムである。ノロウイルス感染症は、乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こす。長期免疫が成立しないため何度もかかる。
鶏脳脊髄炎ウイルス ニワトリを主な宿主とし、稀にキジ、ウズラ、七面鳥に感染する。鶏脳脊髄炎ウイルスはピコルナウイルス科に属するRNAウイルス。
犬パルボウイルス パルボウイルスは、強いウイルスで、環境中でも数ヶ月は生き、感染力を持っている。また、多く使われている消毒薬(アルコール、クレゾールなど)は効果が期待できず、次亜塩素酸ナトリウムやオゾンが有効である。

菌に対するオゾンの効果

オゾンはこれらの菌を殺菌・消毒、または死滅させます。

菌の名称 主な特徴
大腸菌 人類その他の哺乳(ほにゅう)類の腸内にいる細菌の一種。
ブドウ球菌 黄色ブドウ球菌が食品中で増殖する時、熱・乾燥・胃酸・消化酵素に強い「エンテロトキシン」という毒素をつくる。
緑膿菌 日和見感染症の代表と言えるのが、緑膿菌感染症。
人の腸管の中をはじめ、自然界に広く分布しており、栄養分の少ないところでも増殖できる。ほかの病原菌と一緒に混合感染することが多く、抗生物質に抵抗性が強い。抵抗力の非常に低下した人に、呼吸器感染症、尿路感染症、菌血症や敗血症などを引き起こす。
クロストリジウム パーフリンジェンス 通称「ウェルシュ菌」
ウェルシュ菌は12種類もの毒素または酵素を作り出し、それらによりガス壊疽や食中毒といった病気を引き起こすことが知られています。
コクシジウム コクシジウムという原虫の感染によって鶏が食欲不振や下痢を起こし、重篤な場合には衰弱して死亡することもある疾病が「鶏コクシジウム症」である。
真菌(カビ) 真菌とは、空気中に漂っているカビのこと。免疫力が低下した人は誰でも感染する可能性がある。結核の後などに生じた肺の空洞に、アスペルギルスという真菌が繁殖してしまうこともある。
枯草菌 「こそうきん」と読む。土壌や植物に普遍的に存在し、反芻動物やヒトの胃腸管に存在するグラム陽性のカタラーゼ陽性の細菌である。空気中に飛散している常在細菌(空中雑菌)の一つ。

オゾン水のウイルスや菌に対する効果

オゾン水のウイルスや菌に対する効果

医療機関で使われるオゾンバスター

オゾン水の効果は基本的に気体のオゾンに準じますが、ここではオゾン水のオゾン濃度とウイルスや菌の関係について表にまとめてみたいと思います。

微生物の種類 水中オゾン濃度(ppm) 微生物濃度(個/ml) 温度(℃) pH 接触時間 死滅率(%)
大腸菌 0.96 105cells 21.0 7.0 5秒 100
ブドウ球菌 1.08 105cells 21.0 7.0 5秒 100
緑膿菌 1.01 105cells 21.0 7.0 5秒 100
クロストリジウム 0.96 105cells 21.0 7.0 5秒 100
インフルエンザウイルス 0.96 1053EID50 21.0 7.0 5秒 100
鶏脳脊髄炎ウイルス 0.72 1029EID50 20.0 7.0 5秒 100
犬伝染性肝炎ウイルス 1.20 1015TCID50 21.0 7.0 5秒 100
パルボウイルス 0.96 1025TCID50 21.0 7.0 5秒 100
鶏コクシジウム 1.92 約3×103cells 20.0 7.0 30秒 100
カビ 0.3-0.5 105cells 20.0 6.5 19秒 99.9
酵母 0.3-0.5 105cells 20.0 6.5 90秒 99.9
枯草菌 0.3-0.5 105cells 20.0 6.5 30秒 99.9

悪臭・農薬・害虫に強いオゾン

さまざまなシーンで公衆衛生を支えているオゾンの効果
その他にも、オゾンには次のような効果が確認されています。
代表的なものをいくつかご紹介します。

脱臭・消臭効果

悪臭の原因は主に「菌の増殖」です。
よって、菌の増殖を抑止するか、もしくは減らすか、死滅させることで悪臭問題は改善、あるいは完全に解決することが可能です。
今では、新型コロナウイルスが原因で、オゾンのウイルス不活化に対する話題ばかりが取り上げられますが、もともとオゾン発生器やオゾン水生成器が普及したのは、この「脱臭・消臭効果」が大部分を占めていました。
悪臭問題の解決は、オゾンと次亜塩素酸ナトリウムがもっとも適しています。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムは残留性の問題があるため、安全性が高く求められる環境での作業においては、オゾンが使用されるケースの方が多いです。

野菜や果物の農薬除去・鮮度保持効果

残留性がないため、その安全性の高さからオゾンは厚生労働省が定める「食品添加物」に認められています。
そのため、野菜や果物の農薬洗浄(特にカット野菜にはオゾン水が使われていることが多い)などにも利用されています。
洗浄はもとより、野菜や果物をオゾン水で洗浄したり浸けたりすることで鮮度が保持され、また野菜や果物本来の自然で鮮やかな色を長時間持続させることが可能です。

オゾン水で洗浄された鮮やかなオレンジ色のニンジン

オゾン水で洗浄され鮮やかなオレンジ色のニンジン/画像右はオゾンバスター

ゴキブリ・ダニ・小バエに対するオゾンの忌避効果と繁殖抑制効果

糞中の化学物質が仲間との情報交換機能になっている虫や動物は数多くいますが、私たちに身近な存在としてその代表例が「ゴキブリ」「ダニ」「小バエ」などが挙げられます。
この「糞中の化学物質」のなかには、繁殖活動に欠かせないフェロモン分泌物だけではなく、安全や危険を知らせるための情報交換機能に相当する物質も含まれていると言われています。

オゾンは、そんな「糞中の化学物質」を分解するため、ゴキブリ・ダニ・小バエは繁殖活動に支障をきたし、また情報交換機能も失います。
これによって、ゴキブリ・ダニ・小バエの繁殖を大幅に減らすことができます。

また糞中の化学物質によって仲間に安全や危険を知らせコミュニケーションを図っているため、その機能を失ったことで、集団生活が困難になり、生息しづらくなります。
しかし、それだけではありません。

多くの飲食店でオゾン発生器が導入されている理由は、先に説明したことに加え、「死骸を出さずに駆除できる」点にあります。

駆除
害になるものを追い払う、または殺して取り除くこと。これが「駆除」の正確な意味である。
※駆除とは殺すことだけを意味するものではない。

ゴキブリやダニ、小バエなどを殺して駆除した場合、死骸が残ります。
そして、その死骸をお客様が見つけた場合、お店の信用に大きな傷がつくでしょう。
また、飲食店の衛生管理における統計で目立つのは「死骸からの異物混入」です。
特に羽を持つ多くの虫は死後、羽が取れやすく、またわずかな風で飛んでしまい、それが異物混入の原因となっています。

オゾンはゴキブリやダニ、小バエを殺しません。
オゾンによって生息しづらく、繁殖に支障をきたした虫たちは、ただそこからいなくなるだけです。

よって死骸も出ないことから、それが異物混入を未然に防ぐことにもつながります。
直接手をくださずに敵(害虫)を退かせる。これがオゾン発生器・オゾン水生成器を導入している飲食店が増えている理由です。