オゾンとイオンはどう違いますか?

オゾンとイオンはどう違いますか?

「オゾンとイオンはどう違いますか?」

化学に覚えがある方にとっては驚かれるかもしれませんが、この趣旨の質問は年間100件近くあります。

空気清浄機や洗濯機、ドライヤーなどのカタログや店内POPで、よく目にするイオン。
特に「マイナスイオン」という言葉は、おそらくほとんどの人が一度は耳にしたことがあるかと思います。

オゾンとイオンは、まったく違います。

「イオンってなんだろう」

このときにイオンをオゾンや酸素などと同列で考えるのが、そもそもの落とし穴です。
何故なら、オゾンは「物質」であり、イオンは「状態」を意味するからです。

オゾンの説明はシンプルですが、イオンの説明はちょっとやっかいです。
細かく説明し始めると、かなり長くなります。
ここで、イオンとは何たるものかをすごく詳しく知りたい人はあまりいないと思いますので、本題である「オゾンとイオンはどう違うのか?」に対して、学術的なことはなるべく割愛しつつも、その違いをちゃんと理解していただけるようにまとめてみたいと思います。

オゾンとは

オゾンとは

オゾンとは

オゾンとは、酸素原子の「O」が3つ集まってできた「物質」です。
化学式は「O3」です。
二酸化炭素や水などと同列に考えることができる「オゾン」という「物質」です。
上の画像には、水、二酸化炭素、メタン、亜鉛化窒素などがありますよね?
このような「物質」のなかの1つとして、「オゾン」があります。
このオゾンは酸化力が強く、菌やウイルスに対して殺菌消毒効果(*)がありながらも、残留性がなく安全性も高いため、厚生労働省に食品添加物として認められています。
*塩素の6倍、フッ素に次ぐ殺菌消毒力。
より詳しくオゾンを知りたい方は「オゾンとは」をご覧下さい。

あれ?
上の画像にイオンがないではないか!
イオンはどこだ!

と思うかも知れません。
落ち着いて下さい。
次項でイオンを説明します。

イオンとは

オゾンが「物質」であるのに対し、イオンは「状態」を意味します。
では、その「イオンという状態」がどのような状態であるか説明します。

まず、ものを作っている小さな粒「原子」があります。

原子の構造

原子の構造

そして、原子の真ん中に「原子核」があり、原子核の中には陽子(プラス)と中性子があります。

原子核

原子核の説明

その名のとおり「陽子」は「プラス」の電気を持っています。
その周りに「電子」が飛び交っています。
「電子」は「マイナス」の電気を持っています。

いつもは、プラスとマイナスの数が同じだけあるため、プラスとマイナスの電気の偏りはありません。
プラスとマイナスを持っていますが、全体でみると±0(プラスマイナス0)になっています。

それが何かの拍子でプラスとマイナスのバランスがズレることがあります。
その状態が「イオン」です。

原子の周りに電子がピュンピュン飛んでいるわけですが、何かの拍子でこの電子がどこか(外)に1個抜けていったり、外から電子が入ってきたりすることがあります。
そのように、原子が電子(マイナスの電気)を出し入れすることがあります。

そのため、外から電子を持ってくれば「マイナス」になるし、マイナスの電子が抜けることでマイナスが減り、プラスになったりします。

これがイオン

これがイオン

そうして、電子を出し入れすることで、原子が電気を帯びた状態になることがあります。
↑これが「イオン」です。

イオンというのは、そういう「状態」を指すわけなんです。

【イオンをもうちょっとだけ詳しく】
もう少しだけイオンの説明をするとすれば、次のとおりです。
最低限のイオンの説明は上でしましたので、興味ない方はここは読み飛ばしてしまっても構いません。

イオンをもうちょっとだけ詳しく

Cl(塩素)が外から電子を1個持ってくる
→Cl(塩化物イオン)

Na(ナトリウム)が自分のなかにある電子を1個捨てる(他に移動する)
→Na→(ナトリウムイオン)
※ナトリウムがイオン化した状態

イオンになったときは必ず電気を帯びます。

そのとき、電気をどれくらい帯びたかな?
プラスかな、マイナスかな、どっちかな?
というのを右上に書く決まりになっています。

何度も繰り返しますが、このように「原子が電子の出し入れで電気を帯びたもの」←これが「イオン」です。

マイナスイオンとプラスイオンってなぁに?

マイナスイオンという言葉をよく耳にします。
この「マイナスイオン」ですが、学術的に正しくは「負イオン」や「陰イオン」と呼ばれます。(英語では「negative ion」)
一方、「プラスイオン」とはあまり呼ばずに「陽イオン」や「カチオン」などと呼びます。(英語では「cation」 )
※本ページでは、わかりやすく説明するため「マイナスイオン」「プラスイオン」と呼びます。

先ほど、イオンとは「原子が電子の出し入れで電気を帯びたもの」と説明しましたが、電気といっても感電するわけではありません。
また、それは肉眼でも顕微鏡でも確認することができない微粒子です。
日本では、プラスの電気を帯びたものを「プラスイオン」、マイナスの電気を帯びたものを「マイナスイオン」と呼ばれます。

空気中の成分比

空気中の成分比

空気の約78%が窒素で、酸素は約21%です。
空気は窒素と酸素の占める割合が多く、その他のガスが空気中に占める割合はごくわずかです。この構成比は、上空80kmまでほとんど変わらず、それぞれプラスイオン、マイナスイオンという状態で漂っています。
そして空気中の酸素分子や窒素分子は大変安定した構造をしているため、よほどエネルギーが加わらない限り、イオン化することはありません。
そのなかで、最もイオン化しやすいのは水の分子です。

マイナスイオン化した水の小さなクラスター(集合体)が多い状態を「マイナスイオンを豊富に含んだ空気」ということができ、生物に快適さや心地よさを感じさせるのです。(川や滝の近くで空気がおいしいと感じるのはこのためです)
ちなみに、家庭用オゾン発生器のなかには、オゾンクルーラーのようにオゾンとマイナスイオン併用タイプの製品もあります。

プラスイオンとマイナスイオンは大気中に無数にあり、常に空中を浮遊しています。
大気中のプラスの静電気が強い時には、空気中に浮遊しているプラスイオンがマイナスイオンよりも多くなり、逆に大気中のマイナスイオンの静電気が強い時はマイナスイオンの数が多くなります。

本来は中性で安定しているもの同士が、電子をやりとりしてそれぞれが増減を繰り返しています。
一般的には、湿度40〜60%の間がマイナスイオンの発生に適した状態です。
ジメジメした湿度の高い梅雨時は水の集合体同士がくっついて大きくなり、プラスイオンになってしまいます。
水のクラスターの大きさによって「小イオン」と「大イオン」に分かれ、小さいものはマイナスに帯電しやすく、大きいものはプラスに帯電しやすいという性質を持っています。
湿度が80%を超える時は空気中の水の粒子が集まって、ほとんどが大イオンばかりになるので、必然的にプラスイオンが多くなります。

プラスイオンとマイナスイオンの違い

プラスイオンとマイナスイオンの違い

オゾンとイオンはまったく別物です

ここまで説明したとおり、オゾンとイオンはまったくの別物です。
それでは、最後に改めて確認しておきましょう。

オゾンとは
オゾンとは、酸素原子の「O」が3つ集まってできた「物質」である。
イオンとは
イオンとは、原子が電子の出し入れで電気を帯びた「状態」である。

いかがでしたか?
あなたの「オゾンとイオンはどう違うのか」という疑問は解消されましたでしょうか。
なるほどオゾンでは、こちらのページで読者の疑問にお答えしています。
興味がある話題があれば、是非他の記事も読んでみて下さい。

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