新型コロナウイルス対策グッズの本質的な効果を理解できる記事

新型コロナウイルス対策グッズの本質的な効果を理解できる記事

今日まで多くの方がマスクやアルコール消毒液、アルコール系の除菌シートなどを手に入れたいと考えてきましたが、5月上旬になっても、コロナ禍以前のように購入することはまだまだ難しいようです。
そのため、普段はそこまでウイルス感染の予防対策を気にされない人でも、「何かウイルス対策グッズを探さなければ」と思っている方も多いことでしょう。

現在、新型コロナウイルスを含める「殺菌」「消毒」「除菌」「対策グッズ」などのキーワードでウェブ検索をすると、特に詳しい説明もなく「空間除菌」が標榜されていたり、あるいは実質「ただの水」が「除菌水」とされ、350mlで2,000円弱で販売されるなど、まさに「何でもあり」の状態です。

そこで、今回は、皆さんが怪しい商品に騙されることがないように、「新型コロナウイルスに効果があるのか否かをどこで判断すればいいのか」についてお伝えしたいと思います。
また、当記事では本質的な理解を促すことを目的としているため、ここで紹介する3つのものは「特定の商品」ではなく「物質・成分」とします。
各項では、補足として注意点やおすすめできる商品例なども記載しますので、併せて参考にされて下さい。

新型コロナウイルスに効果がある3つのもの

これは今回の新型コロナウイルスに限った話しではありませんが、菌を殺したり、ウイルスを不活化するのは基本的に「アルコール」「次亜塩素酸ナトリウム」「オゾン」の3つです。
これ以外に効果が期待できる物質や成分がないわけではありませんが、あなたが医療や研究従事者でない場合、基本はこの3つだと考えて差し支えありません。
つまり、裏を返せばこの3つがまったく関係していない「新型コロナウイルス対策グッズ」は、かなり高い確率でトンデモ商品の可能性があると考えられるため、十分注意してほしいということです。
それでは、新型コロナウイルス対策として、高い効果が期待できるアルコール、次亜塩素酸ナトリウム、オゾンについてそれぞれ詳しくみていきましょう。

アルコール(エタノール)

アルコール(エタノール)

アルコール(エタノール)

CDC(米国疾病予防管理センター)は、「新型コロナウイルスはアルコール擦式消毒薬(30秒)で不活化される」と正式に発表しています。
濃度については70%程度が理想と考えられます。
ただし、CDCは「40%以上に希釈しても依然として効果的であった」としています。
日本では「アルコールによる新型コロナウイルス不活化・消毒は60%(あるいは70%など)以上でなければあまり意味がない」としている団体や専門家もいますが、実際にCDCが新型コロナウイルスとアルコールで不活化実験をしたところ「40%以上に希釈しても依然として効果的であった」としているので、そちらの方が信頼度は高いと考えます。
理由は、CDCは「実際に、新型コロナウイルスとアルコールで不活化実験を行っている」からです(*)。
*日本ではまだほとんど「実際に」新型コロナウイルスを用いて実験が行われているわけではありません。

手指の消毒から、アルコール噴霧器による無人環境下の空間における殺菌・消毒作業など、コロナ禍でも大活躍しています。

[重大な注意点]
アルコールは40%以上の濃度であれば、新型コロナウイルスに有効だと考えられるが、ノロウイルスやA型肝炎ウイルス、ロタウイルスなどはアルコールへの抵抗性が強いため、たとえ高濃度アルコールであっても効きづらいとされる。
有人環境下で噴霧・散布しない(業務用の噴霧器)。
ペットのエタノール中毒には要注意(*)。
*犬が摂取したエタノールは、胃腸で速やかに吸収される。脳や中枢神経には、侵入する物質を制限するバリアのようなものがあるが、胃腸で吸収されたエタノールは、そのバリアを超え、脳や中枢神経の細胞に影響を与えるとされる。

[その他の注意点]
アルコール臭、アルコールアレルギー、過敏症あり。
アルコールを使用して空間除菌を行う場合、液体で噴霧する必要があるため、有人環境では作業不可。
殺菌消毒作業中は、植物を室外に出すなどの対策をとる。
「アルコールは何にでも効果を期待できる」とは考えないようにする。(ただしアルコールの有効範囲がかなり広いことは事実)

[商品例]
個人:アルコール成分配合の除菌シート、消毒液、ハンドジェル…etc
専門業者:噴霧器・散布機

次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸ナトリウム

知る人ぞ知る塩素系殺菌剤ですが、実は、今日現在(2020.05.05時点)、アルコールのように新型コロナウイルス(従来のコロナウイルスではない)による実験を行った正式な論文があったり、CDCのような機関がその効果を示す情報を開示しているわけではありません。
ただ、次亜塩素酸ナトリウムが菌を殺したり、ウイルスを不活化する効果の範囲や度合いはアルコールを凌ぐとされるのが一般的です。
次亜塩素酸ナトリウムが、「新型」ではないSARSコロナウイルスやMERSコロナウイルスも不活化(こちらは世界中に多数の論文や記録あり)することはすでに明らかになっている事実ですから、同種である今回の「新型」も当然不活化すると考えられ、今日まで世界中の新型コロナウイルス感染拡大防止・抑止に関する殺菌消毒作業に使用されています。

次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性のため、肌に直接付着すると皮膚の表面を溶かします。
そのため、アルコール消毒液やオゾン水のように手指の消毒には使用できませんが、噴霧器による無人環境下の空間における殺菌・消毒作業など、コロナ禍でも大活躍しています。

[重大な注意点]
液剤による手荒れ等に配慮し、使用時には手袋着用が必須。
材質によっては対象物を腐食させる。金属製品はサビたり変色したりすることがあるため、注意が必要。
特に、次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水を混同し、超音波加湿器に希釈した次亜塩素酸ナトリウムを入れて使うのは最悪死亡する重大な事故につながるため絶対にしない。
有人環境下で噴霧・散布しない。

[その他の注意点]
残留性、塩素臭あり。
酸性の洗剤(特にトイレ洗浄剤等の強酸性のもの)と混ぜると、有毒ガスが発生するため絶対に混ぜて使用しない。
次亜塩素酸ナトリウムは、空気、熱、光などに対して不安定で、有効塩素が分解されてしまい殺菌力が低下するため、作り置きは推奨されない。
殺菌消毒作業中は植物を室外に出すなどの対策をとる。

[商品例]
個人:ジアイーノなどの次亜塩素酸・空間除菌脱臭機、ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤…etc
専門業者:噴霧器・散布機

オゾン

オゾン

オゾン

オゾンは塩素の約6倍、あのフッ素に次ぐ殺菌消毒効果を有します。
オゾンは、コロナ禍においても、ダイヤモンド・プリンセス号に入った除染の専門業者がオゾン発生器を使用していたり、東京消防庁の緊急車両(救急車)にオゾン発生器が搭載されていたり、医療施設における院内感染防止などに家庭用オゾン発生器が利用されるなどして、公衆衛生に大きな貢献をしています。

追記(2020.05.16)
奈良県立医科大学とMBTコンソーシアムの研究グループによって、オゾンが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化することが証明されました。
オゾンが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化する証明とその解説

これまでオゾンは、宿泊施設業や清掃業、食品業などを中心に殺菌消毒作業及び脱臭(消臭)作業に利用されてきましたが、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどと比較すると、認知度は高くありませんでした。
しかし、コロナ禍において、アルコール消毒液の欠品が続き、それに代わるものとして、殺菌消毒効果・安全性が高い液体であるオゾン水が一気に認知され、それに伴って気体を含め、改めて「オゾン」が注目されることになりました。

次亜塩素酸ナトリウム同様、従来のコロナウイルス(SARS及びMERSなど)を不活化することがすでに明らかになっています。
加えて、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムのような残留性がないことから「安全性が高い作業の遂行」ができるとされ、気体・液体問わず、今世界中でコロナの感染拡大防止に寄与しています。
ちなみに、ウイルスの感染拡大防止策として、今回の新型ウイルスがそうであったように、紙幣が消毒されるケースがあります。その際に使われるのは、先に紹介したアルコールと次亜塩素酸ナトリウム、それにこのオゾンになります(*)。
*新型コロナウイルスの感染拡大防止策として中国や欧米では一部の紙幣が消毒されましたが、その消毒作業で実際にオゾンが使用されています。

アルコール同様、オゾンを液体に溶かしたオゾン水による手指の消毒や、噴霧器(オゾン水)・オゾン発生器(気体のオゾン)による殺菌・消毒作業が行われるなど、コロナ禍でも大活躍しています。

[重大な注意点]
人やペットがいる環境下でオゾン発生量が多い「業務用」のオゾン発生器をしない。
アルコールや次亜塩素酸ナトリウム同様、オゾンも濃度によっては健康被害につながりかねないため「業務用」と「家庭用」の違いを明確に理解するなどして、誤った使い方をしないようにする。

[その他の注意点]
楽天やAmazonで販売される安全が担保されない安価な機器は推奨されない。
業務用オゾン発生器を使用しての殺菌消毒作業中は植物を室外に出すなどの対策をとる。

[商品例]
個人:家庭用オゾン発生器
専門業者:業務用オゾン発生器

新型コロナウイルスに対して効果が期待できないと思われる商品

コロナ禍において「新型コロナウイルスに効果がある」とされる商品、あるいはさも効果があるように謳われている対策グッズは数多くあります。
特定の商品名は伏せますが、一部紹介しますので参考にされて下さい。

[首からぶら下げ「空間除菌」を謳う商品]
商品説明をみると、「塩素成分で空間除菌」とありますが、実際に空間除菌できるだけの効果があるなら、それが「塩素成分」である限り、首からぶら下げては危険です。
しかし、実際にはそのような「危険」はありません。
何故なら、効果がないからです。
医療や研究従事者は、それがすぐに分かる人が多いため、絶対に購入しません。
もし、この商品を使用している「専門家」がいたとすれば、少なくてもその人が化学や感染症の専門家でないことだけは確かです。
マスクや消毒液が一部の心ない人たちに転売目的で買い占められたときくらいから販売されるようになり、かなりの人たちがすでに購入してしまっている様子です。

[滅菌カードなるカードタイプの商品]
先に紹介した首からぶら下げ「空間除菌」を謳う商品の類似商品で、滅菌カードなるものがあります。
なんでも、バッグや鞄などにキーホルダー感覚で付け「ウイルスシャットアウト」するんだそうです。
そもそもの話しになりますが、「滅菌」とは「殺菌消毒の基礎知識」でも説明しているとおり、菌を殺して、その数を100万分の1にすることを意味し、これは実質「完全に死滅」させるレベルを指します。
そのため「滅菌」という言葉は、本来、人に対して使われる言葉ではありません。理由は、人は生きている限り、何らかの菌やウイルスが絶対にいるためです。
たとえば、手術道具や、歯科医院の器具など物に対して使われる言葉です。
当然、薬機法(旧薬事法)では、除菌や殺菌、消毒などの言葉よりも「滅菌」という言葉を使う方が制限もより厳しいことは言うまでもありません。
こちらも、首からぶら下げ「空間除菌」を謳う商品同様、本当にその「滅菌効果」があるのであれば、危険きわまりない商品と言えますが、実際にそのような危険なことにはなりません。理由は、こちらも「そもそもはじめから効果がない」からです。

[空気清浄機のイオン発生機能]
空気清浄機それ自体は、優れた機器であることは言うまでもありません。
ただ「空気清浄機や加湿器は新型コロナウイルス対策になりますか?」でも説明しているとおり、ナノイーやプラズマクラスター、光速ストリーマなどがウイルス不活化や、菌の殺菌にほぼほぼ意味がないことは強いエビデンスで明らかになっています。

[アルコール濃度が40%未満の消毒液]
CDCは実際に新型コロナウイルスを用いた実験を行ったうえで「40%以上に希釈しても依然として効果的であった」としているため、この言葉のニュアンスからアルコール濃度が30%程度でもおそらく「一定の効果(不活化)」はあるものと推測できます。
ただし、感染予防の際、効果がないものを効果があると勘違いしたり、思い込んだりすることは非常に危険な行為であり、逆に感染拡大のリスクを孕んでいます。
そのため「アルコール濃度40%未満でも、おそらく一定の効果はあるが、40%以上が有効な濃度と考えておく」と思っておくのが無難かもしれません。

有効濃度について
エタノール(アルコール)は、濃度が40%を超えると急激に殺菌効果が高まり、約70%で最高の殺菌力になります。エタノール濃度が80%を超えると、殺菌効果が低下します。

[根拠・成分不明の除菌消臭スプレー]
もっともひどいものは「ただの水」が「除菌水」とされ、350ml・2,000円弱で販売されていることでした。
驚かれるかもしれませんが、そういう類の商品は今の日本で結構販売されているので、くれぐれもご注意下さい。(楽天やAmazonなど)
これは「優良誤認」というレベルではなく、いわゆる「詐欺商品」と言えるでしょう。

優良誤認
実際のものよりも著しく優良であると示すもの。
ちなみに、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、二酸化塩素をコロナ対策として販売している業者に警告書を出しました。
日本でも厳しく取り締まってほしいものです。

コロナ対策における次亜塩素酸ナトリウムやオゾンのエビデンス

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化について、現場レベルではアルコール以外の次亜塩素酸ナトリウムやオゾンもその効果を確認できているはずです。
アルコールですら「実際に」新型コロナウイルスを用いて、実験を行った結果を元にした発表は先に紹介したCDCのみとなります。(2020.05.05現在)

しかしながら、このコロナ禍が収束に向かうとともに、そうした効果を示す強いエビデンスは、SARSコロナウイルスやMERSコロナウイルス同様、世界中で論文や実験データなどを中心にたくさん発表されると考えられています。
当サイトでも、それらの情報が確認でき次第、記事にまとめ、随時配信していきたいと思います。

また、最後に重ねてお伝えしますが、新型コロナウイルスに効果(ウイルス不活化)があるのは、アルコール、次亜塩素酸ナトリウム、オゾンの3つです。
もし、あなたがコロナ対策として購入・導入を検討している商品がこれら3つと何も関係がない場合は、そもそも何の効果もないトンデモ商品か、きわめて低い効果しか期待できない可能性が高いので、十分注意していただければと思います。

品質や安全性が高いオゾン発生器を家庭用・業務用に分けてわかりやすくご紹介していますので、もし興味があればこちらもご覧下さい。
【2020年版】日本オゾン先端技術研究所認定済みのオゾン発生器・オゾン水生成器

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